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Udemy Business活用で社員の自律学習を支援、企業風土改革を推進中

本田技研工業株式会社

本田技研工業株式会社

環境意識の高まりやデジタル技術の進化によって、自動車業界は100年に一度の大変革期ともいわれる急速な変化に直面しています。Hondaは、これからの時代に新たな価値を創造できる人材を育成すべく、従来のOJTを中心とした育成からOJT/Off-JT/自己研鑽を通じた基礎力×専門性×幅広人材の育成へとアプローチの転換を図るなかで、Udemy Businessを主にソフトウェア領域に関する専門性の向上に活用しています。

今回は、コーポレート管理本部人事統括部人事部部長の大野慎一さんと同部人材開発課主任の中島基史さんに、同社の人材戦略とUdemy Businessの活用についてうかがいました。

自己研鑽を促す能力開発への転換

2021年4月、Hondaは、2040年までにすべての新車販売を電気自動車と燃料電池車にするという目標を発表しました。その実現に向けて、電動化やソフトウェアの開発への投資を強化するほか、「人的資本の最大有効活用による企業競争力向上と事業構造改革」を目指した人材戦略を展開しています。

そうした人材戦略の一環として、2021年10月から能力開発のアプローチを刷新しました。人事統括部人事部部長の大野慎一さんは、次のように説明します。

人事統括部 人事部部長 大野慎一さん (取材当時)
人事統括部 人事部部長 大野慎一さん(取材当時)

「創業者の本田宗一郎は、『自分のために働け』という言葉を残しています。創業者は、自分のために一生懸命に働くことが、同時に会社の成長につながると考えていました。その精神に立ち返り、入社年次や階層ごとに一律に行っていた研修を廃止し、従業員が主体的に学習する自己選択型の学習プログラムを導入しました」

自己選択型の学習プログラムでは、全従業員に求められる共通能力とビジネススキル、専門スキルのそれぞれについてe-ラーニング形式で提供。従業員は、希望する講座を選択して受講します。

そうした「個」を大切にした能力開発へ大きく舵を切った背景には、大野さん自身のカナダでの駐在経験も影響していると語ります。

「これまで弊社の能力開発は、必ずしも従業員個人の興味・関心や目標に合わせたカリキュラムではありませんでした。しかし、カナダに駐在中、私は現地の社員と話す中で、一人ひとりの能力と意欲に向き合い、いかに高めるかをより大切にしていました。日本でも『個』にフォーカスした能力開発が必要だと感じ、改革を進めたいと考えました」(大野さん)

ソフトウェア領域の主体的な学びの場としてUdemy Businessを導入

2023年7月から12月にかけ、Hondaは従業員約3万人を対象にソフトウェア教育を展開しました。人事部人材開発課主任の中島基史さんは、その理由を次のように説明します。

人事部 人材開発課主任 中島基史さん
人事部 人材開発課主任 中島基史さん

「Hondaのソフトウェア・電動化領域への挑戦は「待ったなし」の状況となっています。また、昨今の生成AIの台頭に代表されるように、技術が驚異的なスピードで進化しており、私たちの仕事のやり方や向き合い方が日常的に問われています。そのような環境下で、一昨年に全社を対象にスキルアンケートを実施したところ、すでにソフトウェア・電動化の領域で学びや経験を積まれている方々の存在も見えてきた一方で、「新たな領域に挑戦をしたいが、どこから学び始めたら良いか迷っている」という声が数多くあることも把握が出来ました。こういった声も踏まえ、ソフトウェア領域への学びの第一歩として、全社的なソフトウェア教育を展開しました。」(中島さん)

独立行政法人情報処理推進機構が示しているDX推進スキル標準の人材類型をベースに、ソフトウェア領域のビジネスを推進する主な役割として5つの人材類型を定義。各役割に対して重要度の高い学習領域をオンラインで学べるようにしました。

「今回のソフトウェア教育は、短期間で基礎的な知識を学ぶものでしたが、『実務に使えるスキルを深く学びたい』という意見が寄せられました」(中島さん)

そこで、2024年1月、ソフトウェア領域の主体的な学び場を提供するため、Udemy Businessを導入しました。

「Udemy Businessを選んだ決め手は、講座の数が充実していて、特にソフトウェア、テクノロジー系の分野に強みがあると感じたからです。また、オンライン学習サービスであっても講師に質問ができるため、インタラクティブに学べる点もよいと考えました」(中島さん)

現在、Udemy Businessの受講は希望制ですが、既に全従業員の10%が受講。導入開始から約3か月間で90時間も受講した従業員がいるほど、活用が進んでいます。DXに関心が強い若手・中堅だけでなく、管理職からも活用したいという意欲的な声が届いていると、中島さんは語ります。

「自動車の生産技術部門で働く管理職から、『全従業員向けのソフトウェア教育を受けて、自分もその重要性を実感している。私の部下はソフトウェア分野に詳しく、業務DXを提案してくれるが、自分がその提案を正しく評価するための知識や経験が不足しているので、Udemy Businessで学習したい』という声が届き、全社でソフトウェア教育を実施する意義を感じています。今後も幅広い層にUdemy Businessの活用を促していきます」

「知の創造モデル」に基づいた自律的キャリア形成の支援

社会の環境変化と事業戦略に合わせ、新たな人材戦略を展開する同社。目指すのは、個人の夢や衝動を原動力とした『知の創造モデル』を構築し、新たな価値を創造することです(図)。大野さんは次のように説明します。

「従業員は個人の夢や衝動を原動力として、主体的に知識やスキルをインプットします。会社は、個人が身につけた知識やスキルを生かせるよう異動や抜擢を行い、新たな環境でさらに成長できるように支援します。そうした挑戦の輪を広げることが、新しい価値創造につながると考えています」

図 知の創造モデル
図 知の創造モデル

大野さんは、同モデルを実現する上で、ポイントは2つあると語ります。1つは、従業員が夢をしっかり持ち、自律的キャリアを形成できるよう環境整備することです。

「階層別研修を廃止し、自己選択型の学習プログラムを導入する際、社内報『POLE POSITION』で過去にないページ数を割いて、人事部から社員は夢を原動力にして自律的にキャリアを形成してほしいというメッセージを発信しました。また、従業員自らキャリア計画を作成し、それを基に上司とキャリア面談をし、上司が部下のキャリア形成を支援する取り組みを始めました」(大野さん)

もう1つは、従業員の内発的動機を発揮できる場を用意することです。

「従業員が学んだことを発揮できるよう異動や抜擢を行い、さらに学ぶ意欲を高めてほしいと考えています。また、職場の仲間が自主的に集まり、身近な問題を継続的に改善していく社内コミュニティを構築・提供しています。そして、自律的に学び、新しい価値創造に挑戦している従業員の事例を社内のイントラネットや採用オウンドメディアで発信し、学ぶことの楽しさやメリットを全社に周知していきたいと思います」(大野さん)

人材育成だけでなくマネジメント改革にも取り組み、企業風土の変革を加速

中島さんは、今後のUdemy Businessの活用について、次のように話します。

「当初は、従業員が自律的に学べるならば、会社がUdemy Businessの受講講座を指定する必要はないと思っていました。しかし今は、Udemy Businessの活用促進の1つの手立てとして、ラーニングパスの設定が有効だと考えています。豊富な講座から目指すキャリアに合う講座を紹介して、忙しい中でも自律的に学べる『学びの効率化』を支援する必要性を感じました。我々人材開発課では、学びの意欲のある人が効果的に学べるよう、その人たちをモデルケースにして、学びを広げていく予定です」

今後の人材戦略における課題の1つは、グローバルにおけるソフトウェア領域の人材育成です。

「2023年度、私は北米や南米、欧州、アジアの各事業所を訪問しました。どの国・地域でもソフトウェア領域の人材育成は急務であり、タレントマネジメントをグローバルにどう進めていくかが課題です。また、各国でも従業員の自律的学びの促進が求められています。海外の事業所でも多言語対応のUdemy Businessのようなオンライン学習ツールを活用することで、従業員の自律的な学びを支えたいと考えています」(大野さん)

全社を挙げて企業風土の変革を加速していきたいと、大野さんは述べます。

「企業風土は、採用や人材配置、評価方法を変えたら変わるものではありません。従業員一人ひとりを結んで点を線にし、線をつなげて面にして全社的に変革を進めていくことが欠かせません。そこで、企業風土改革タスクフォースを組み、決定プロセスや権限委譲のあり方など、マネジメントの改革にも取り組んでいる最中です。それらの改革を継続してやり抜くことで、従業員一人ひとりに会社の戦略が浸透していき、企業風土を変革できると信じています」

企業名
本田技研工業株式会社
業種
輸送用機器(二輪車、四輪車、汎用製品など)の製造、販売
従業員数
33,065人(単独、2023年3月31日現在)

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