自動車業界「100年に一度の大変革時代」への挑戦! 全社で取り組む豊田通商のIT人材育成とは?
豊田通商株式会社
「電動化」「自動化」「コネクティッド」などの技術が進化し、自動車業界は今「100年に一度の大変革時代」と言われています。変革の時代には、異業種との連携・競争、新興国・地域を中心とした自動車市場の拡大が見込まれ、その変化に対応できる人材の育成も大きな課題の1つです。
世界の自動車業界をリードするトヨタグループの一員である豊田通商株式会社では、この6月、その変革の一手としてIT人材育成の強化に着手。社員の学習環境として最先端のIT技術をオンライン動画で学べるUdemy for Business(以下UFB)を全社導入を決定。この記事では、IT人材育成を推進される北川様に同社の人材育成の戦略やUFB導入の経緯を伺いました。
INDEX
ご担当者様プロフィール
海外関連のシステム構築に携わったのち、5年間の米国駐在を経て、昨年度からITインフラの責任者として就任。ITインフラを通した「働き方改革」、「デジタルトランスフォーメーション」などの分野を推進する。
「Udemy」(ユーデミー)とは
Udemyは、「Improving Lives Through Learning(学びを通して人生をより豊かに)」を事業コンセプトとして掲げる米国法人Udemy,Inc.が運営する世界5,000万人以上が利用するオンライン学習プラットフォーム。C to C(Consumer to Consumer)により世界中の「教えたい人(講師)」と「学びたい人(受講生)」をオンラインでつなげます。最新のIT技術からビジネス、趣味まで幅広い領域の学びをオンラインで学ぶことができます。2015年からベネッセコーポレーションが日本における事業パートナーとして提携を開始し、法人様向けのUdemy for Busines(UFB)の導入をご支援しています。
ITの肌感覚を持っているビジネスパーソンを育成したい
―――豊田通商様では、Udemy法人プランのリリースからいち早くご導入くださっています。ご導入を決められたのは、どのような背景があったのでしょうか?
弊社ではトヨタグループの一員として、自動車業界の「100年に一度の大変革時代」を生き残っていかなければならないという強い危機意識を持っております。
今年2019年を「デジタル変革元年」と位置付けており、全社を挙げて「デジタル変革・デジタルトランスフォーメーション」に取り組んでいます。
この環境において、「デジタルトランスフォーメーション」をリードする人材の育成が課題となっております。ご存知の通り、デジタルトランスフォーメーションはビジネスの知見とITの知見の融合により引き起こされるものであり、このビジネス×ITを兼ね備えた人材育成をどう育成していくのかを検討している中で、Udemyに出会ったというのが正直なところです。
弊社には様々な事業があり、事業ごとに興味をもつ先進的なテクノロジーが異なります。ある事業ではブロックチェーン、ある事業では機械学習・ディープラーニングといった具合です。
このビジネス側からのテクノロジーニーズにIT部門として一品一葉に対応していくには限界があり、Udemyの豊富かつ先進的なコンテンツを活用して、IT部門に頼らなくともセルフラーニングができる機会を提供する事を選択しました。
―――やはり、様々な環境変化の中でも、特にIT人材育成の優先度が高いということでしょうか?
実は「IT人材」を育成するニーズというよりも、ITの肌感覚を持っているビジネスパーソンを育成する事がトッププライオリティだ と考えています。
私のようなIT部門の専門家はテクノロジーを熟知していても、ビジネスニーズを捉える事は難しく、デジタルトランスフォーメーションを起こせる訳ではありません。そのため、ビジネス側からテクノロジーに寄って来てもらう必要性があると考えています。
自ら必要な知識を学ぶ「オンデマンド型」の研修
―――こういった社会変化を踏まえたIT人材育成の必要性については、これまでは社内で大きなニーズはなかったのですか?
当然、これまでもニーズはありましたが、現在と大きく異なるのは圧倒的なスピードです。これまでであれば、他社の動向を見ながら、効果のでているものを採用すればよかったので、自らテクノロジーを習得しなくとも、様々なITパートナーの協力を仰ぐ事ができました。
現在は、他社が効果を出してから着手しているのでは遅いので、自らが技術を習得し、自走していく事が求められています。
―――これまではどのような研修を実施されていたのですか?
一般的なe-Learningや集合研修など一通り実施していました。ただ、これまでの研修は研修企画側が企画した教えたい事を全社に展開する研修でした。そのため、Udemyを通したセルフラーニングとは全く異なるものだと感じています。
Udemyの場合は、自分が学びたい知識を学んでいくので、限りなく「オンデマンド型」の研修となります。研修には両面が必要だとは思いますが、オンデマンド型の研修というのは内製ではほぼ不可能なので、Udemyを活用する事ができて良かったと思っています。
「トップアップ」で起こすデジタル変革
―――(全社導入決定前に)UFBのトライアル利用をIT戦略部からスタートされたのはなぜだったのでしょうか?
Udemyを通したセルフラーニングはこれまでの研修の置き換えではなく、これまでの研修に対して追加的、補完的な役割と考えています。そのため、トライ&エラーの考え方で比較的ハードルを低く設定して進めています。
我々IT戦略部は、こういった新サービスのトライアルに慣れている事が理由です。正直申し上げて、IT部門から進める深い意味があった訳ではありません。むしろ、やりやすい所から開始したというのが正直なところです。また特にIT領域においては「トップアップ」で育成を仕掛けることが優先課題だった事も大きな理由です。
―――「トップアップ」とはどのようなことでしょうか?
デジタル変革を起こすのは社員全員ではなく、ごく一部の小さいチームだと考えています。ボトムからそのような人材を育成する事難しく、素養のあるトップの背中を一押しする、つまり「トップアップ」することで生まれてくると考えています。
一般的な集合研修は基本的にボトムアップ/ミドルアップの目的で実施されるため、トップにとっては満足しない内容であることもあります。
ボトムを上げるのか、トップを伸ばすのか。結論どちらも必要だと思いますが、集合研修はボトムアップ/ミドルアップを目的とし、私たちIT戦略部ではトップを伸ばす視点も重視して研修を考えました。特にITに関しては最先端の内容を扱うのでトップアップとの相性が良いと感じています。
―――企業様からよく伺う研修内容と実務の乖離について、豊田通商様ではこれまで同じような課題がありましたか?
全体的、画一的な研修は一般論とならざるを得ない部分があり、この研修を実務に合わせようとすると、非常にバリエーションが多い研修を作っていかないといけません。
課題というよりも、研修とはそういった一般論を教育する場と捉えていました。Udemyを活用した教育は全社研修というよりも、セルフラーニングの意味合いで考えています。自分で通信講座を受講したり、本屋さんで本を購入して勉強するのと同じと考えています。
CtoCで生み出される最新トレンドのコンテンツ
―――Udemyを導入されて最も感じられているメリットは何でしょうか?
付帯効果として英語能力の向上も図れますので一石二鳥とも言えます。また、内製コンテンツだとどうしても時間経過とともに内容が陳腐化していってしまいますが、Udemyなら各講師が最新化してくれますので、こういった面もありがたいです。
―――Udemyをご利用されて、今の段階ですでに人気となっている、これは社員に勧めたいと思われるコンテンツなどありますでしょうか?
正直、特定の講座が人気というよりも、個人個人のお気に入りは違うようです。初級編であれば、日本語で分かりやすい「【キカガク流】人工知能・機械学習 脱ブラックボックス講座 」というシリーズが人気ですね。一方、中級以上になると欲しい情報に特色がでてくるので、皆さんそれぞれでお気に入りが違うようです。
社員それぞれに合った学習スタイルの推奨
―――例えば今回のUdemyのご利用にあたっては、何か理想的な学び方・推奨されている学びの形態などあるのでしょうか?
実はこういった学び方をしてほしいという押し付けはしないように心がけています。意識的にどう使うかはユーザー側に任せるようにしています。
正直、学習の仕方は人それぞれで、通勤電車の中でスマートフォンで勉強したい人もいれば、業務時間にPCで勉強したい人もいると考えています。
その人がその人に一番合ったスタイルで学習すればよいと思っています。我々としてはそういった学習する環境の選択肢を提供する事が役割と考えています。
―――Udemyというサービスに今後さらに期待されることなどありますか?
これからもタイムリーなコンテンツを生み出し続けて頂き、かつ品質を維持し続けて頂く事を期待しています。また、英語コンテンツの日本語対応やIT以外も含めた更に幅広いジャンル・テーマのコンテンツの拡充を期待しています。
―――ご期待に応えていけるように尽力してまいります。本日はご清聴ありがとうございました。
(北川様は、今年7月に都内で開催されたコーナーストーンオンデマンドジャパン株式会社主催の「CONVERGE TOKYO 2019」に登壇。IT人材育成に関するトークセッションで会社としての先進的な取り組みを事例として紹介いただきました。)
Udemy法人プランのご案内
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