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選抜した新入社員に1年間のDX研修を実施。Udemy Businessを活用し自律的に学ぶ力を育成。

清水建設株式会社

清水建設株式会社

清水建設株式会社は、2030年を見据えた長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」の実現に向けて、事業構造・技術・人財におけるイノベーション、DXへの取り組みを加速させています。同社は、2023年度新入社員対象のDX研修に、アセスメントの結果に連動して活用できるUdemy Businessを導入しました。そこで今回は、人事部人財開発グループの齊藤佑介さん、デジタル戦略推進室デジタル化企画部教育グループの髙木英美子さんに、DX人財の育成方針とDX研修についてお話をうかがいました。そして、DX研修に参加した新入社員の皆さんにも、Udemy Business利用後の感想について聞きました。
※所属部署、役職などは取材当時(2024年3月)

イノベーションと生産性向上を牽引するDX人財の育成が急務

清水建設は、2019年5月に2030年を見据えた長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」と、当面5年間の基本方針と重点戦略を取りまとめた「中期経営計画〈2019−2023〉」を策定しました。その中で掲げた2030年に目指す姿「スマートイノベーションカンパニー」を実現するために、DX人財の育成が急務だったと、人事部人財開発グループの齊藤佑介さんは話します。

「中期経営計画では、建築事業の深耕・進化に加え、非建設事業の収益基盤の確立を目指しています。それらの事業戦略を進める上で、社内の各部署においてイノベーションを牽引するDX人財の育成が急務でした」

さらに、DX推進を加速したい理由がもう1つあると、デジタル戦略推進室デジタル化企画部教育グループの髙木英美子さんは、次のように説明します。

デジタル戦略推進室デジタル化企画部教育グループ 髙木英美子さん
デジタル戦略推進室デジタル化企画部教育グループ 髙木英美子さん

「建設業では、実施が猶予されてきた『時間外労働の上限規制』が2024年4月から適用され、臨時的な特別の事情がなければ時間外労働の上限を超えることはできなくなりました。そこで、デジタルを活用し、長時間労働や働き手不足を解消し、生産性向上を図る必要がありました」

イノベーティブスキルや素養を可視化し、新入社員を選抜

企業間でのDX人財の獲得競争が激しくなっており、中途採用は希望する人材の獲得が難しい状況でした。新卒採用においても、デジタルスキルを持つ学生の応募が限られており、社内での育成を図ることにしました。当初は各部署から選抜した人材を育成することも考えましたが、働き手の確保に悩む各部署から社員を集め、DX研修のために数か月を割いてもらうのは厳しい状態でした。そこで、ある企業の取り組みをヒントに、配属前の新入社員にDX研修を実施することにしました。

「ダイキン工業様では、DX人財を育成するため、デジタルに素養のある新入社員を選抜し、通常業務を行わず、社内大学で2年間、集中的にICT教育を実施していると知りました。私たちもそのくらい徹底的に研修をしなければ、DX推進はできないと考えました」(髙木さん)

新入社員333人から27人を本人の希望とアセスメントで選抜し、DX研修を1年間実施することにしました。目的は、「『新たな視点』で業務に取り組むスキルを体系的に学び、イノベーティブな人財を育成すること」です(図1)。

図1:研修概要

利用したアセスメントは、株式会社エクサウィザーズが提供する「DIA(デジタルイノベーターアセスメント)」です。このアセスメントは、デジタルとイノベーティブの観点でスキルと素養をそれぞれに可視化できる点が特徴です。

「DX研修の計画段階で、社内幹部は『単にIT人財を育てるのではなく、イノベーティブなマインドを持って、分野を超えて連携しながら業務に取り組む人財を育成してほしい』と強調されていました。『DIA』は、デジタルのスキルや素養に加え、質問力やネットワーク力、発見力などのイノベーティブのスキルや、好奇心やポジティブ精神、やり抜く意志などの素養を測れる点で当社のニーズに合っていました」(髙木さん)

また、アセスメントと一緒にエクサウィザーズが提供するラーニングコンテンツも受講することにしました。

「弊社はこれまで建築、土木といった分野ごとに人財を育成してきました。そのため、様々な分野を横断しながら新しい事業を創出したり、業務変革を行うための教育が、必ずしも十分ではありませんでした。そこで、デザインシンキングなどの事業創出につながるスキルも、研修内容に加えました」(齊藤さん)

人事部人財開発グループの齊藤佑介さん
人事部人財開発グループの齊藤佑介さん

DX研修のカリキュラムは下記の通りです(図2)。上半期は、はじめに人生の価値観や当社で成し遂げたいことの言語化やDX概論の講義などを通じて、変革の必要性を理解し、イノベーティブマインドの醸成を行いました。続いて、ビジネススキルやデータサイエンス・機械学習、デザインシンキングなどといったスキルの習得に関するカリキュラムを実施しました。分野によっては得意不得意も生まれ、講義や課題に苦労するメンバーもいましたが、ICT活用が進んでいる現場への見学や様々な部門の社員による講義などを通じて、学びの動機付けを繰り返し行いました。下半期には、これまで学びを実践すべく、社内課題に取り組むアジャイル実習を行いました。社内だけでなく、社外講師による講演の実施や、大学で先端技術を学ぶカリキュラム等も用意しました。

図2:研修カリキュラム
図2:研修カリキュラム

DX研修の補助教材としてUdemy Businessを利用

DX研修の補助教材として導入したのが、「Udemy Business」です。その理由を齊藤さんは次のように話します。

「DX研修は1年間にわたるため、座学の集合研修ばかりでは、受講者の主体性や学習意欲が続かないのではないかと考えました。また、専門性や得意不得意の異なるメンバーに対し、準備やコストの面ですべてのニーズに対応する研修を集合形式で行うのは現実的ではありませんでした。そんな折、『DIA』とUdemy Businessを連動して活用できると紹介していただきました。そこで、上半期は定期的に、研修の復習や自主学習としてUdemy Businessを用いた自習時間を設けました」

「DIA」には、アセスメントの結果に基づき、受講者一人ひとりの目標や課題に合ったUdemy Businessの講座を自動的にレコメンドされる機能があります(DXパーソナライズドラーニング with Udemy Business)。

「レコメンド機能を用いれば豊富なコンテンツから新入社員が適切な講座を受講でき、効率的にデジタルに関する学びを進められると感じました。実際、多くの受講者が、『DIA』のレコメンド機能を活用し、課題を克服するためUdemy Businessで学んでくれました。

加えて、それぞれの関心に合わせて動画編集やプログラミングなどのテーマを設定し、学びあう「グループラーニング」の時間を定期的に設けました。自身の得意なことや、受講してよかったコンテンツを社内SNSで紹介し合う風土も徐々に醸成されたことも、学びを継続する上で大切だったと感じています」(髙木さん)

DX研修においてUdemy Businessは積極的に活用され、受講者の8割以上が、年間を通じて1か月あたりUdemy Businessを60分以上利用しており、約2割は1か月あたり5時間以上の活用を確保していました。さらに注目したいのは、レコメンド機能で推奨された講座以外にも、自分が関心のある講座を受講していた受講者の方が「DIA」のスコアを顕著に伸ばしていた点だと、齊藤さんは話します。

「下半期は実践的なアジャイル実習を行ったため、受講者は自分に必要な講座で主体的に学んでいったのでしょう。その結果、スコアが伸びたのだと推測しています。私たちが想定した以上に、自律的な学びに活用していたことをうれしく思います」

今後のDX人財育成に関する展望を、髙木さん聞きました。

「新入社員だけでなく全社にDXの学びを広げていくため、2024年度には、デジタル人財育成プログラム『シミズ・デジタル・アカデミー』を開講します。全社員のデジタルリテラシーの底上げと、データやデジタル技術を活用した業務変革・新規ビジネス創出をリードするDXコア人財の育成を進めていきます」(高木さん)

※DXパーソナライズドラーニング with Udemy Businessとは、ベネッセコーポレーションが提供するUdemy Businessと連携し、Udemy Businessが保有する豊富な動画コンテンツの中から、DIAの受検結果に基づいて個人に最適な動画コンテンツがレコメンドされる機能です。

研修で課題と感じたスキルをUdemy Businessで学ぶ

文系採用の生駒さん、建築系統の東野さん、生産技術系統の田村さん、建築系統のナーさん
文系採用の生駒さん、建築系統の東野さん、生産技術系統の田村さん、建築系統のナーさん

次に、同社のDX研修を受講し、Udemy Businessを利用している社員の方々に、Udemy Businessの活用についてお聞きしました。

文系採用の生駒さんは、DX研修に参加した当時を次のように振り返ります。

「私は、文系採用で入社したため、営業や開発、総務、経理などの部署に配属される可能性があります。入社当時は、デジタルに関する知識は浅かったので1年間集中して学べば、どの部署に配属されても将来の選択肢が広がるだろうと思いました」(生駒さん)

選抜された新入社員の27人は、DXに関する様々な研修を受けながら、年4回「DIA」を受検し、自分の到達度を確認。Udemy Businessを活用して、デジタル分野を中心に自主学習も進めていきます。建築系統の東野さんは、「DIA」の結果を次のように利用したと話します。

「『DIA』の結果表には、自分の課題克服に適したUdemy Businessの講座が紹介されていました。その講座を中心に、週2日のUdemy Businessの学習時間のほか、出勤前の30分間に倍速で視聴することを習慣にしていました」(東野さん)

下半期には、「DIA」のレコメンド機能で推奨された講座以外にも、自分が課題だと感じているスキルや知識を身につけるためにUdemy Businessを活用する受講生が増えていきました。生産技術系統の田村さんは、リーダーシップに課題を感じ、ファシリテーション講座を受講しました。

「研修の中には、チームでテーマを決めて課題解決に取り組むワークがありました。私はリーダーとしてチームをまとめる難しさを実感し、Udemy Businessでファシリテーションの講座を受講しました。チームのメンバーから意見を引き出し、かつメンバー全員が納得できる結論へ導くコツを学びました」(田村さん)

建築系統のナーさんは、マーケティングの講座を受講しました。

「研修中、上司に業務改善を提案する課題がありましたが、資料の作り方や伝え方次第で、結果が大きく異なると感じました。相手のニーズを把握し、より説得力のある資料を作成するために、Udemy BusinessでBtoCマーケティングを学びました」(ナーさん)

また、受講生の自律的な学びを活性化するために実施した「グループラーニング」について、生駒さんはこのように振り返りました。

「デザイン思考やITパスポートといった資格取得など、同じ関心を持つ仲間同士でグループ学習を進めました。関心が同じであってもUdemy Businessで受講している講座が違うこともあり、お勧めの講座を教え合ったりしました」(生駒さん)

今後の抱負を田村さんは次のように話します。

「1年間の研修が終わり、配属後は現場の生産性向上に関わる業務を担当する予定です。ICTツールの導入が目的化しないように、現場の課題やニーズを分析して適切にDXを推進ができるよう、研修で学んだことを生かしていきたいです」(田村さん)

企業名
清水建設株式会社
業種
総合建設業
従業員数
10,845人(単体 2023年3月31日現在)

「建設事業(建築、土木、海外建設)」を柱に、非建設事業である「不動産開発」「エンジニアリング」「LCV(ライフサイクル・バリュエーション)」「フロンティア」の4分野で事業を展開。

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